営業出身の経営者は精神論になりがち?

人に商品を販売する営業という職種は、決まったノウハウや知識がない為「精神論」で成り立っている部分がある。特に営業が中心となる販売会社では、そういった意識が強く根付いている。人材が育ちにくく管理職の少ない中小企業では、売り上げの多い営業が出世して経営者の立場になることが多いが、その際に会社の方針や経営理念は引き継ぐが「仕事の仕方」に関してはついつい精神論になりがちである。営業に関してだけならそれでも良いのかもしれないが、事務や広報などの職種にまでとなるとその不満は社員の心理的ストレスにも繋がる。例えば、事務では営業のサポート的な立ち位置であるが、営業によってやり方が様々なので事務手続き上ミスが多発することも珍しくない。そこで事務側が統一したシステムを提案しても、経営者としては「事務が営業を支援するという気持ちを強く持ち、ミスのないように強めるべきだ」という考えなのである。つまり「自分が努力し我慢せよ」ということなのだ。確かにそういった努力や我慢は大切なのだが、営業を主体に考えるあまり業務上の効率化や改善すべき点を見落としてしまいがちなのが精神論の欠点なのではないだろうか。